
ファッション・アパレル業界では、「求人を出しても応募が来ない」「自社に合う人材と出会えない」といった採用課題を抱える企業が増えています。特に近年は、給与や勤務地だけでは他社との差別化が難しくなり、求職者に選ばれる求人票を作れるかどうかが、採用成功を左右する時代になりました。
では、自社にマッチした人材を集める求人票は、どのように作ればよいのでしょうか。
本記事では、「ターゲット設定」「自社の魅力の整理」「求職者に伝わる求人票の作り方」までを解説します。「求人票を作っても反応が薄い」、「自社の魅力をうまく言語化できない」「採用活動をもっと効率化したい」などのお悩みがある担当者の方は、ぜひご覧ください
※本内容は、2026年2月に開催された導入企業向けセミナーをもとに再構成したものです。

解説者プロフィール:柴原歩美(しばはら・あゆみ)
READY TO FASHION営業・カスタマーサクセスチーム。新卒で金融系企業に入社した後、株式会社READY TO FASHIONに入社。企業の採用支援やカスタマーサクセス業務を担当し、企業ごとの課題解決に取り組んでいる。
従来、求職者が転職先を選ぶ際には、給与や勤務地、休日、残業時間などの「働きやすさ」が重視されています。一方で、近年は、「スキルアップできる環境」「成長機会」「裁量の大きさ」「柔軟な働き方」など、「働きがい」に関する要素も重視される傾向があります。

そのため、求人票では条件面だけでなく、「どんな経験が積めるのか」「どんな成長ができるのか」を具体的に伝えることが重要です。
自社が求める人物像を言語化することを「人材要件の設定」といいます。人材要件が曖昧なままだと、採用のミスマッチが起こりやすくなり、採用コストや現場負担が増えてしまいます。一方で、人材要件を明確にすることで、自社にあった人材を採用しやすくなり、採用基準も社内で共有しやすくなります。

人材要件は、以下の4つに分類すると整理しやすくなります。
・必須要件:絶対に必要な条件
・優秀要件:あるとより活躍が期待できる条件
・ネガティブ要件:避けたい要素
・不問要件:なくても問題ない条件
例)販売職の場合
・「アパレル業界での販売経験が3年以上」→必須条件
・「SNS発信が得意」→優秀要件
・「ブランドが好き」→不問条件
・「思いやりに欠ける」→ネガティブ要件

以上のように整理できます。要件を増やしすぎると、理想の人物像が膨らみ、採用難易度が高くなってしまうため、優先順位をつけることが重要です。4カテゴリー全てにおいて分けるのにハードルがある方は、必須条件と優秀要件のみでも問題ありません。
自社が求める人材要件を整理することで、洗練された求人票に近づきます。
求職者に選ばれる求人票を作るには、「自社ならではの魅力」を整理する必要があります。

働きがいとは、仕事を通じて得られる充実感や達成感を指します。例えば、「成長できる環境」「正当な評価制度」「裁量の大きさ」「チームで成果を出せる環境」などが挙げられます。

働きやすさとは、労働環境や福利厚生に関する満足度を指します。例えば、「適切な労働時間」「年間休日」「給与や福利厚生」「有給取得率」などがあります。

人材要件を考える際は、「現在と未来の時間軸」と「定性・定量情報」の二つの観点から情報収集を行うことが重要です。採用活動は単に空いたポジションを埋めるだけでなく、今後の事業成長を支える人材を集める役割もになっています。そのため、「今活躍している人材」と「これから必要になる人材」の両方の視点から整理する必要があります。


「働きやすいか」「やりがいを感じるか」などを定量的に調査します。さらに「入社前後のギャップの度合い」「やりがいを感じているか」「福利厚生に満足しているか」などを5段階評価します。そうすることで、求める人材の優先順位などが明確になります。
「入社してよかった瞬間」「やりがいを感じた経験」などをヒアリングし、実際に働く社員が感じる魅力を定性面からも把握しましょう。
例1)経営層インタビュー:事業戦略、企業文化から自社の強みを伸ばす人材要件が明確になる
例2)活躍している人材へのインタビュー:現場で活躍している人の特性が分かる
「定着率」「有給取得率」「平均勤続年数」などを可視化することで、求人票の説得力を高めます。
次に、これらの要素をどのように求人票に記載するかのポイントをお伝えします。

人が瞬間的に理解できる文字数は約13文字と言われています。そのため、タイトルでは単なる職種名だけではなく、「働き方」「キャリアアップ」「ブランド特徴」「顧客層」なども含めて、どんな求人なのかを想像できる状態にすることが重要です。文章で伝える感覚ではなく、見出しを作るイメージが大切です。

具体例を見ていきましょう。画像にあるタイトルから読み取れるのは、「販売職」「表参道店舗勤務」という情報のみです。これだけでは、職場の雰囲気や企業の特徴をつかむことができません。
これをポイントをもとに変更すると、社員登用制度の紹介や職場の地域、客層、業務の広がりなど、募集職種だけではない自社の魅力を記載すると、求人内容のイメージが容易になります。
次に、求人画像のタイプです。求人画像は主に以下の4タイプに分かれます。
・モデル画像:ブランドイメージを認識できる
・スタッフの働く様子:実際の働く雰囲気をイメージが想起できる
・店舗写真:店舗空間や立地の魅力を伝えられる
・ブランドロゴ:認知度の高いブランドで効果を発揮しやすい
どの画像が最適化は企業によって異なるため、実際の反応を見ながら改善していくことが重要です。

求人票は長文ではなく、箇条書きで簡潔にまとめることが推奨されています。また、「なぜ募集しているのか」「どんな環境なのか」「どんな人が働いているのか」「どんな成長ができるのか」を具体的に書くことで、求職者が働くイメージを持ちやすくなります。
例えば、
・新店舗オープンに伴う募集
・20〜30代中心
・SNS運用にも挑戦可能
・キャリアアップ制度あり
などを記載することで、仕事内容だけでは伝わらない魅力を補足できます。


ChatGPTなどのAIを活用することで、「求人タイトル案」「募集背景」「業務内容」「訴求ポイント」などの作成工数を削減できます。
ただし、AIに曖昧な指示を出すだけでは、理想的な文章は出力されません。「誰に向けた求人なのか」「何を魅力として伝えたいのか」を整理したうえで、具体的に指示を出すことが重要です。

以下のテンプレートをコピーしてご活用ください。
#前提・命令書
「あなたはプロの求人票編集者です。以下の内容と入れてほしいキーワード、ルール、求人詳細、仕事内容をもとに、魅力的な求人タイトルと募集要項を作成してください。」
#ルール
・文字サイズは全て統一
・文章は簡潔に
・求める人物像の求職者が興味を持つような文章
・READY TO FASHIONの掲載基準を守って
#キーワード・求人詳細
・入れたいキーワード( ・ ・ ・ )
・社名( )
・ブランド名( )
・雇用形態( )
・職種( )
・給与( 〜 )
・勤務地( )
・求める人物像( ・ ・ ・ )
・仕事内容( ・ ・ ・ )
・企業・業務の魅力( ・ ・ ・ )
#内容指定
・求人票タイトル [40文字以内で5つほど候補]
・募集背景 [200文字以内]
・業務内容 [100文字+箇条書き]
・得られる経験・価値 [箇条書き]
・活躍している人物像 [200文字以内]
・必須経験・スキル [箇条書き]
・歓迎経験・スキル [箇条書き]
・働く環境 [200文字以内]
・人事部からの一言 [100文字以内]
ターゲット設定、自社の魅力整理、求人票作成までを行った後は、公開して終わりではなく、改善を繰り返していくことが重要です。実際の閲覧数や応募数、応募者の傾向を見ながら、「タイトル」「画像」「訴求内容」「人材要件」などを見直していくことで、マッチする人材を集めやすい求人票に近づいていきます。

人材要件を整理することで、採用基準が明確になり、今後の採用活動も進めやすくなります。
近年の求職者は、「働きやすさ」だけではなく、「働きがい」も重視しています。自社ならではの魅力を言語化することが重要です。
タイトルや画像、情報設計を工夫しながら、求職者に伝わる求人票へ改善を続けることが重要です。また、AIを活用することで、求人作成の効率化にもつながります。
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